第35〜39回の解説をもとに、よく使う式を科目ごとにまとめました。式と記号の意味だけを載せています。印刷して持ち歩けるようにしてあります。
医学概論4個
この科目の計算問題は、第35〜39回で6問ありました。
吸入気酸素分圧
P_IO₂ = (大気圧 − 47) × F_IO₂
| P_IO₂ | 吸入気酸素分圧(mmHg) |
|---|---|
| 大気圧 | その場所の気圧(mmHg。海面上の標準は760) |
| 47 | 37℃の飽和水蒸気圧(mmHg) |
| F_IO₂ | 吸入気酸素濃度(0〜1) |
高地や高気圧環境では大気圧が変わるため、同じ酸素濃度でも分圧が変わります。
酸素摂取量と肺拡散能
酸素摂取量 = 分時換気量 × (F_IO₂ − F_EO₂)
肺拡散能 = 酸素摂取量 / 分圧差
| 酸素摂取量 | 1分間に体へ取り込まれる酸素(mL/分) |
|---|---|
| 肺拡散能 | 分圧差1 mmHgあたりの酸素摂取量(mL/(mmHg・分)) |
| 分時換気量 | 1分間に出入りする空気の量(mL/分) |
| F_IO₂ | 吸気の酸素濃度 |
| F_EO₂ | 呼気の酸素濃度 |
| 分圧差 | 肺胞と毛細血管の酸素分圧差(mmHg) |
吸った酸素と吐いた酸素の差が、体に取り込まれた量です。
エネルギーの単位と熱産生
1 kcal = 約 4.2 kJ
熱産生率(W)= 1日のエネルギー(J)/ 86400 s
| 熱産生率 | 1秒あたりの熱の発生量(W) |
|---|---|
| kcal | キロカロリー |
| kJ | キロジュール |
| W | ワット(J/s) |
1日2500 kcal は約120 W にあたります。糖質・タンパク質は4 kcal/g、脂質は9 kcal/g です。
従属人口指数
従属人口指数 = 100 × (年少人口 + 老年人口) / 生産年齢人口
| 従属人口指数 | 生産年齢人口100人あたりの人数 |
|---|---|
| 年少人口 | 0〜14歳 |
| 生産年齢人口 | 15〜64歳 |
| 老年人口 | 65歳以上 |
老年人口指数、老年化指数など似た指標があるので、分母と分子を取り違えないようにします。
臨床医学総論3個
この科目の計算問題は、第35〜39回で1問ありました。
糸球体で濾過される量
濾過される量 = 糸球体濾過量(GFR) × 血漿中濃度
| 濾過される量 | 1分間に糸球体で濾過される量(mg/分) |
|---|---|
| GFR | 糸球体濾過量(mL/分) |
| 血漿中濃度 | その物質の濃度 |
mg/dL と mg/mL の変換でつまずきやすい計算です(30 mg/dL = 0.3 mg/mL)。
心拍出量
CO = SV × HR
| CO | 心拍出量(mL/分)。1000で割るとL/分 |
|---|---|
| SV | 1回拍出量(mL) |
| HR | 心拍数(回/分) |
mLのまま掛けるとmL/分になります。成人の安静時でおよそ5 L/分(5000 mL/分)です。体表面積で割ったものが心係数(CI)です。
脈圧と平均血圧
脈圧 = 収縮期血圧 − 拡張期血圧
平均血圧 ≒ 拡張期血圧 + 脈圧 / 3
| 脈圧 | 収縮期と拡張期の差(mmHg) |
|---|---|
| 平均血圧 | 1心拍を通じた平均の血圧(mmHg) |
| 収縮期血圧 | 最高血圧(mmHg) |
| 拡張期血圧 | 最低血圧(mmHg) |
平均血圧は単純な平均ではありません。拡張期のほうが時間が長いため、拡張期寄りの値になります。
医用電気電子工学17個
この科目の計算問題は、第35〜39回で61問ありました。
オームの法則
E = I × R
| E | 電圧(V) |
|---|---|
| I | 電流(A) |
| R | 抵抗(Ω) |
直列では電流が共通、並列では電圧が共通です。ここを取り違えると、あとの計算がすべてずれます。
合成抵抗(直列・並列)
直列: R = R₁ + R₂
並列: 1/R = 1/R₁ + 1/R₂
| R | 合成抵抗(Ω) |
|---|---|
| R₁, R₂ | それぞれの抵抗(Ω) |
並列が2本だけなら R = R₁R₂/(R₁+R₂) が速いです。並列の合成抵抗は、必ずいちばん小さい抵抗より小さくなります。
分圧(直列回路の電圧)
V₂ = E × R₂ / (R₁ + R₂)
| E | 電源電圧(V) |
|---|---|
| R₁, R₂ | 直列の抵抗(Ω) |
| V₂ | R₂ にかかる電圧(V) |
電圧は抵抗の比のとおりに分かれます。オペアンプの入力電圧を求めるときにも、まずこれを使います。
消費電力
P = V × I = I² × R = V² / R
| P | 電力(W) |
|---|---|
| V | 電圧(V) |
| I | 電流(A) |
| R | 抵抗(Ω) |
3つの形は同じものです。与えられている値に合わせて選びます。交流では P = V × I × cosθ(力率)になります。
導体の抵抗(抵抗率)
R = ρ × L / A
| R | 抵抗(Ω) |
|---|---|
| ρ | 抵抗率(Ω・m) |
| L | 長さ(m) |
| A | 断面積(m²) |
長さに比例し、断面積に反比例します。直径が2倍になると断面積は4倍なので、抵抗は4分の1です。
静電容量と合成容量
C = ε × A / d
直列: 1/C = 1/C₁ + 1/C₂
並列: C = C₁ + C₂
| C | 静電容量(F) |
|---|---|
| ε | 誘電率(F/m) |
| A | 極板の面積(m²) |
| d | 極板の間隔(m) |
合成のしかたが抵抗と逆です(直列で減り、並列で増える)。ここが試験でよく狙われます。
コンデンサに蓄えられるエネルギー
W = ½ × C × V²
| W | 静電エネルギー(J) |
|---|---|
| C | 静電容量(F) |
| V | 電圧(V) |
電圧の2乗に比例します。除細動器の出力エネルギーもこの式で決まります。
時定数(RC回路・RL回路)
RC回路: τ = R × C
RL回路: τ = L / R
| τ | 時定数(s) |
|---|---|
| R | 抵抗(Ω) |
| C | 静電容量(F) |
| L | インダクタンス(H) |
1τ で最終値の約63%まで変化します。RC は「かけ算」、RL は「割り算」と覚えます。
遮断周波数(CR回路)
f = 1 / (2π × R × C) = 1 / (2π × τ)
| f | 遮断周波数(Hz) |
|---|---|
| R | 抵抗(Ω) |
| C | 静電容量(F) |
| τ | 時定数(s) |
時定数が分かれば、そこから直接求められます。心電計の低域遮断(時定数3.2秒以上)もこの関係です。
リアクタンスとインピーダンス
X_C = 1 / (2πfC)
X_L = 2πfL
Z = √(R² + X²)
| X_C | 容量リアクタンス(Ω) |
|---|---|
| X_L | 誘導リアクタンス(Ω) |
| Z | インピーダンス(Ω) |
| f | 周波数(Hz) |
| C | 静電容量(F) |
| L | インダクタンス(H) |
| R | 抵抗(Ω) |
| X | リアクタンス(Ω) |
周波数が上がると X_C は小さく、X_L は大きくなります。抵抗とリアクタンスは直角に足すので、単純な足し算にはなりません。
共振周波数
f = 1 / (2π × √(L × C))
| f | 共振周波数(Hz) |
|---|---|
| L | インダクタンス(H) |
| C | 静電容量(F) |
L と C の積の平方根に反比例します。L か C を4倍にすると、共振周波数は半分になります。
電磁誘導(ファラデーの法則)
e = N × ΔΦ / Δt
| e | 誘導起電力(V) |
|---|---|
| N | コイルの巻数 |
| ΔΦ | 磁束の変化(Wb) |
| Δt | かかった時間(s) |
磁束そのものではなく、磁束の「変化の速さ」で決まります。変化がなければ起電力は生じません。
変圧器(巻数比)
V₁ / V₂ = N₁ / N₂ = I₂ / I₁
インピーダンス比 = (N₁ / N₂)²
| V | 電圧(V) |
|---|---|
| I | 電流(A) |
| N | 巻数 |
| 添字1 | 一次側 |
| 添字2 | 二次側 |
電圧は巻数比に比例、電流は反比例します(電力は変わりません)。インピーダンスだけは巻数比の2乗です。
オペアンプの増幅度
反転: A = −R_f / R₁
非反転: A = 1 + R_f / R₁
| A | 電圧増幅度(倍) |
|---|---|
| R_f | 帰還抵抗(Ω) |
| R₁ | 入力抵抗(Ω) |
非反転だけ「1+」が付きます。どちらも仮想短絡(2つの入力端子の電位が等しい)から導けます。
デシベル(電圧比)
G = 20 × log₁₀ A
| G | 利得(dB) |
|---|---|
| A | 増幅度(倍) |
2倍で約6dB、10倍で20dB、100倍で40dBです。電力比のときだけ 10×log₁₀ になります。
同相弁別比(CMRR)
CMRR = A_d / A_c
dB表示: CMRR = A_d(dB) − A_c(dB)
| CMRR | 同相弁別比(倍、またはdB) |
|---|---|
| A_d | 差動利得(倍) |
| A_c | 同相利得(倍) |
生体信号は微小で雑音に埋もれやすいため、生体アンプには高いCMRRが求められます。dB表示では引き算になります。
電磁波の波長
λ = c / f
(c = 3 × 10⁸ m/s)
| λ | 波長(m) |
|---|---|
| c | 光速(m/s) |
| f | 周波数(Hz) |
アンテナの長さは波長の1/4が目安です。媒質中では速度が落ち、v = c / √(εr × μr) になります。
医用機械工学14個
この科目の計算問題は、第35〜39回で21問ありました。
力のモーメント
M = F × L
| M | モーメント(N・m) |
|---|---|
| F | 力(N) |
| L | 支点から力までの距離(m) |
L は「支点から力の作用線までの垂直距離」です。斜めのときは cos や sin をかけて垂直成分にします。
ばね振り子の周期(単振動)
T = 2π × √(m / k)
| T | 周期(s) |
|---|---|
| m | 質量(kg) |
| k | ばね定数(N/m) |
質量が4倍になると周期は2倍です。振幅を変えても周期は変わりません。
向心力(等速円運動)
F = m × v² / r = m × r × ω²
| F | 向心力(N) |
|---|---|
| m | 質量(kg) |
| v | 速さ(m/s) |
| r | 半径(m) |
| ω | 角速度(rad/s) |
2つの形は v = rω で行き来できます。与えられているのが速さか角速度かで使い分けます。
応力・ひずみ・弾性率
応力 σ = F / A
ひずみ ε = ΔL / L
弾性率 E = σ / ε
| σ | 応力(Pa) |
|---|---|
| F | 力(N) |
| A | 断面積(m²) |
| ε | ひずみ(無次元) |
| ΔL | 伸び(m) |
| L | もとの長さ(m) |
| E | 縦弾性係数(Pa) |
ひずみは長さの比なので単位がありません。ポアソン比は「横ひずみ÷縦ひずみ」の絶対値です。
連続の式(流量と流速)
Q = A × v
A₁ × v₁ = A₂ × v₂
| Q | 流量(m³/s) |
|---|---|
| A | 断面積(m²) |
| v | 平均流速(m/s) |
太さが半分になると断面積は4分の1なので、流速は4倍になります。流量そのものは変わりません。
レイノルズ数
Re = ρ × v × d / μ = v × d / ν
| Re | レイノルズ数(無次元) |
|---|---|
| ρ | 密度(kg/m³) |
| v | 平均流速(m/s) |
| d | 管の内径(m) |
| μ | 粘性係数(Pa・s) |
| ν | 動粘度(m²/s) |
慣性力と粘性力の比です。およそ2000〜2400を超えると乱流になりやすいとされます。
ハーゲン・ポアズイユの式
Q = π × r⁴ × ΔP / (8 × μ × L)
| Q | 流量(m³/s) |
|---|---|
| r | 管の半径(m) |
| ΔP | 圧力差(Pa) |
| μ | 粘性係数(Pa・s) |
| L | 管の長さ(m) |
半径の4乗に比例します。半径が半分になると流量は16分の1です。層流であることが前提です。
ベルヌーイの定理
P + ½ρv² + ρgh = 一定
| P | 静圧(Pa) |
|---|---|
| ρ | 密度(kg/m³) |
| v | 流速(m/s) |
| g | 重力加速度(9.8 m/s²) |
| h | 高さ(m) |
粘りけ(摩擦)を無視できる流れでだけ成り立ちます。流れが速いところほど静圧は低くなります。
パスカルの原理
F₁ / A₁ = F₂ / A₂
| F | 力(N) |
|---|---|
| A | 断面積(m²) |
閉じた液体では圧力がそのまま伝わります。断面積の比のぶんだけ、小さな力で大きな力を生み出せます。
圧力の単位換算
1 気圧 = 約 0.1 MPa = 760 mmHg = 1013 hPa
1 mmHg ≒ 133 Pa
| Pa | パスカル(N/m²) |
|---|---|
| mmHg | 水銀柱ミリメートル |
| cmH₂O | 水柱センチメートル |
1 mmHg ≒ 1.36 cmH₂O です。血圧は mmHg、気道内圧は cmH₂O で表すのが習慣です。
ドプラ効果
f′ = f × (c ± v_o) / (c ∓ v_s)
| f′ | 観測される周波数(Hz) |
|---|---|
| f | もとの周波数(Hz) |
| c | 音速(m/s) |
| v_o | 観測者の速さ(m/s) |
| v_s | 音源の速さ(m/s) |
近づくときに高くなるよう符号を選びます(観測者が近づけば分子が+、音源が近づけば分母が−)。
音の速さと波長
λ = c / f
(生体軟部組織の音速 c ≒ 1500 m/s)
| λ | 波長(m) |
|---|---|
| c | 音速(m/s) |
| f | 周波数(Hz) |
周波数を上げると波長が短くなり、細かいものが見えますが、深いところまで届きにくくなります。
熱量と比熱
Q = m × c × ΔT
| Q | 熱量(J) |
|---|---|
| m | 質量(kg) |
| c | 比熱(J/(kg・K)) |
| ΔT | 温度変化(K) |
水の比熱は約4.2 kJ/(kg・K) です。1 kcal = 約4.2 kJ という関係もここから出ます。
熱伝導(フーリエの法則)
Q = k × A × ΔT × t / L
| Q | 伝わる熱量(J) |
|---|---|
| k | 熱伝導率(W/(m・K)) |
| A | 断面積(m²) |
| ΔT | 温度差(K) |
| t | 時間(s) |
| L | 厚さ(m) |
温度差と面積に比例し、厚さに反比例します。単位をmとmmで取り違えやすいので注意します。
生体物性材料工学3個
この科目の計算問題は、第35〜39回で1問ありました。
抵抗率と導電率
ρ = R × A / L
σ = 1 / ρ
| ρ | 抵抗率(Ω・m、Ω・cm) |
|---|---|
| σ | 導電率(S/m) |
| R | 抵抗(Ω) |
| A | 断面積 |
| L | 長さ |
生体では、血液・筋(線維方向)が通しやすく、脂肪・骨は通しにくいという順になります。
光子のエネルギー
E = h × ν = h × c / λ
| E | エネルギー(J) |
|---|---|
| h | プランク定数 |
| ν | 周波数(Hz) |
| c | 光速(3 × 10⁸ m/s) |
| λ | 波長(m) |
周波数に比例し、波長に反比例します。波長の短い紫外線やエックス線ほどエネルギーが大きくなります。
濾過圧(スターリングの式)
濾過圧 = (毛細血管静水圧 − 間質液圧) − (血漿膠質浸透圧 − 間質液膠質浸透圧)
| 濾過圧 | 血管の外へ押し出す向きを正とした圧(mmHg) |
|---|---|
| 静水圧 | 押し出す向きの圧(mmHg) |
| 膠質浸透圧 | 引き戻す向きの圧(mmHg) |
正の値なら濾過(血管から外へ)、負の値なら再吸収(外から血管へ)です。
生体機能代行装置学8個
この科目の計算問題は、第35〜39回で6問ありました。
クリアランス(透析)
CL = Q_B × (C_in − C_out) / C_in
| CL | クリアランス(mL/分) |
|---|---|
| Q_B | 血流量(mL/分) |
| C_in | 入口側の濃度 |
| C_out | 出口側の濃度 |
「1分間に何mLぶんの血液から、その物質を完全に取り除けたか」を表します。血流量を超えることはありません。
溶質除去量
除去量 = Q_B × (C_in − C_out)
| 除去量 | 1分間に取り除ける量(mg/分) |
|---|---|
| Q_B | 血流量(mL/分) |
| C_in | 入口側の濃度(mg/dL) |
| C_out | 出口側の濃度(mg/dL) |
透析液側へ移った量と等しくなります。濃度の単位(mg/dL と mg/mL)をそろえてから計算します。
除水速度(血液透析)
除水速度 = 総除水量 / 治療時間
| 除水速度 | 1時間あたりに抜く水の量(L/時 または mL/時) |
|---|---|
| 総除水量 | 抜く水の量(L または mL) |
| 治療時間 | 透析時間(時間) |
総除水量は「体重差+透析中の飲食・補液」です。速すぎると血圧低下を招くため、体重あたりの速度も見ます。
分時換気量
MV = V_T × RR
| MV | 分時換気量(mL/分) |
|---|---|
| V_T | 1回換気量(mL) |
| RR | 換気回数(回/分) |
この2つが PaCO₂ を直接左右します。CO₂ が高いときは、まずここを増やすことを考えます。
肺胞換気量
V_A = (V_T − V_D) × RR
| V_A | 分時肺胞換気量(mL/分) |
|---|---|
| V_T | 1回換気量(mL) |
| V_D | 死腔量(mL・目安150 mL) |
| RR | 換気回数(回/分) |
同じ分時換気量でも、浅く速い呼吸ほど死腔の割合が増え、実際のガス交換量は減ります。
吸気時間とI:E比
1呼吸の時間 = 60 / RR
吸気時間 = 1呼吸の時間 × I / (I + E)
| 1呼吸の時間 | 吸気と呼気を合わせた1回ぶんの時間(秒) |
|---|---|
| 吸気時間 | 1回の吸気にかける時間(秒) |
| RR | 換気回数(回/分) |
| I : E | 吸気と呼気の時間比 |
15回/分・I:E=1:3 なら、1呼吸4秒のうち吸気は1秒です。吸気流量×吸気時間が1回換気量になります。
回路の通過時間
通過時間 = 内容量 / 流量
| 通過時間 | 血液が通り抜けるのにかかる時間(分・秒) |
|---|---|
| 内容量 | 回路やダイアライザの容積(mL) |
| 流量 | 血流量など(mL/分) |
70 mL を 200 mL/分 で流すと 0.35分 = 約21秒です。分と秒の変換を忘れないようにします。
中空糸の内容積
1本の内容積 = π × r² × L
| r | 内半径(cm) |
|---|---|
| L | 長さ(cm) |
| 1本の内容積 | 中空糸1本の中身の体積(cm³=mL) |
cmで計算すると答えはcm³で、これはmLと同じです。内径が与えられたら、まず半分にして半径にします。全体の容積は、これに本数をかけます。
医用治療機器学3個
この科目の計算問題は、第35〜39回で2問ありました。
除細動器の出力エネルギー
E = ½ × C × V²
V = √(2E / C)
| E | エネルギー(J) |
|---|---|
| C | 静電容量(F) |
| V | 充電電圧(V) |
150 μF に300 J を蓄えるには2000 V が必要です。実際に患者へ渡るエネルギーは、これより小さくなります。
ジュール熱と電流密度
Q = I² × R × t
電流密度 = I / A
| 電流密度 | 単位面積あたりの電流(A/m²) |
|---|---|
| Q | 発生する熱量(J) |
| I | 電流(A) |
| R | 抵抗(Ω) |
| t | 時間(s) |
| A | 接触面積(m²) |
電気メスで先端だけが切れるのは、面積が小さく電流密度が高いためです。対極板は面積を広くして発熱を防ぎます。
高気圧酸素治療の圧力
絶対圧(ATA)= ゲージ圧 + 1
1 ATA = 約 0.1 MPa = 760 mmHg
| 絶対圧 | 真空を0としたときの圧(ATA) |
|---|---|
| ATA | 気圧(絶対圧) |
| ゲージ圧 | 大気圧を0としたときの圧 |
治療圧力は通常2〜3絶対気圧です。ゲージ圧と絶対圧の取り違えが定番の誤りです。
生体計測装置学5個
この科目の計算問題は、第35〜39回で4問ありました。
SN比
SN比 = 20 × log₁₀ (信号 / 雑音)
| SN比 | 信号と雑音の比(dB) |
|---|---|
| 信号 | 信号の大きさ(V など) |
| 雑音 | 雑音の大きさ(V など) |
電圧の比なので20倍です。20倍で26 dB、100倍で40 dB になります。
加算平均によるSN比の向上
SN比は √n 倍になる
| SN比 | 信号と雑音の大きさの比(倍) |
|---|---|
| n | 加算した回数 |
100回加算すると10倍(dBでは20 dB増)、225回で15倍です。誘発電位のように、刺激に同期した微小信号を取り出すのに使います。
標準12誘導の関係
Ⅱ = Ⅰ + Ⅲ
aV_R = −(Ⅰ + Ⅱ) / 2
aV_L = (Ⅰ − Ⅲ) / 2
aV_F = (Ⅱ + Ⅲ) / 2
| Ⅰ, Ⅱ, Ⅲ | 標準双極肢誘導 |
|---|---|
| aV_R, aV_L, aV_F | 単極肢誘導 |
アイントーベンの三角形から導かれます。Ⅰ と Ⅱ が分かれば、残りの4つはすべて計算で出せます。
標本化定理と分解能
f_s ≧ 2 × f_max
分解能 = 測定範囲 / 2ⁿ
| 分解能 | 1段階あたりの電圧(V) |
|---|---|
| f_s | 標本化周波数(Hz) |
| f_max | 信号に含まれる最高周波数(Hz) |
| 測定範囲 | AD変換で扱う電圧の幅(V) |
| n | 量子化ビット数 |
2倍未満で標本化すると、本来ない低い波形が現れます(折り返し雑音)。12ビットなら 2¹² = 4096段階です。
誤差の伝わり方
かけ算・割り算では、誤差率を足し合わせる
| 誤差率 | 測定値に対する誤差の割合(%) |
|---|
電圧の誤差4%・抵抗の誤差2%の値から電流を求めると、最大誤差は6%になります。
医用機器安全管理学6個
この科目の計算問題は、第35〜39回で17問ありました。
漏れ電流の許容値(JIS T 0601-1)
| 種類 | 正常状態 | 単一故障状態 |
|---|---|---|
| 接地漏れ電流 | 5 mA | 10 mA |
| 接触電流(装着部の形によらず) | 100 μA | 500 μA |
| 患者漏れ電流・患者測定電流(交流)B形・BF形 | 100 μA | 500 μA |
| 患者漏れ電流・患者測定電流(交流)CF形 | 10 μA | 50 μA |
| 患者漏れ電流・患者測定電流(直流)形によらず | 10 μA | 50 μA |
| 接地漏れ電流 | 電源の保護接地線を流れる電流 |
|---|---|
| 接触電流 | 外装に触れたときに人体を流れる電流 |
| 患者漏れ電流・患者測定電流 | 装着部から患者を流れる電流 |
| 正常状態 | 機器が正常なとき |
| 単一故障状態 | 1か所だけ壊れたとき |
| B形・BF形・CF形 | 装着部の形による分類(CF形が最も厳しい) |
単一故障状態の値は正常状態の5倍です。ただし接地漏れ電流だけは2倍になります。
測定用器具(MD)の読み替え
漏れ電流 = 電圧計の指示値 / 1 kΩ
| 漏れ電流 | 本来の通り道からそれて流れる電流(μA) |
|---|---|
| 電圧計の指示値 | MDの出力にあらわれる電圧(mV) |
| R₁ | 10 kΩ |
| R₂ | 1 kΩ(この値で割る) |
| C₁ | 0.015 μF |
指示が 100 mV なら漏れ電流は 100 μA です。R₁ と C₁ が人体の周波数特性を模擬しています。
定格電流と保護接地線の測定電流
定格電流 I = P / V
測定電流 = 「定格電流の1.5倍」と「25 A」の大きいほう
| 測定電流 | 保護接地線に流す試験電流(A) |
|---|---|
| P | 定格電力(W) |
| V | 電源電圧(V) |
| I | 定格電流(A) |
保護接地線のインピーダンス測定で使います。100 V・500 W なら定格5 A、1.5倍で7.5 A なので25 Aを流します。
故障率とアベイラビリティ
故障率 λ = 1 / MTBF
アベイラビリティ A = MTBF / (MTBF + MTTR)
| MTBF | 平均故障間隔(時間・日) |
|---|---|
| MTTR | 平均修復時間(時間・日) |
| λ | 故障率 |
| A | 稼働率 |
MTBF は「壊れるまでの平均時間」、MTTR は「直すのにかかる平均時間」です。修理が速いほど稼働率が上がります。
信頼度(直列・並列)
直列: R = R₁ × R₂
並列: R = 1 − (1 − R₁) × (1 − R₂)
| R | 系全体の信頼度(0〜1) |
|---|---|
| R₁, R₂ | 各要素の信頼度(0〜1) |
直列は必ず元より下がり、並列は必ず元より上がります。予備をもつ(冗長化する)と信頼度が上がる理由です。
ボンベの残量と使用可能時間
取り出せる量 = 内容積 × 圧力 / 大気圧
使用可能時間 = 取り出せる量 / 流量
| 取り出せる量 | 大気圧に換算した気体の量(L) |
|---|---|
| 使用可能時間 | その流量で使える時間(分) |
| 内容積 | ボンベの容積(L) |
| 圧力 | 残圧(MPa) |
| 大気圧 | 約 0.1 MPa |
| 流量 | 投与流量(L/分) |
内容積3.5 L・残圧15 MPa なら 3.5×15÷0.1 = 525 L です。実際は安全のため余裕をもって計画します。
計算問題の数は、選択肢が数値になっている問題を数えたものです。式を使って解く問題のおおよその目安と考えてください。