問81 生体物性材料工学
ポアソン比について誤っているのはどれか。
- 縦ひずみに対する横ひずみの比を用いて表される。
- 材料によって固有の値をもつ。
- 荷重を加えても体積が変わらなければ0.5となる。
- 生体組織では正の値をとる。
- 生体軟組織では鉄鋼材料よりも小さい。
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正解5
誤りは「5」。生体軟組織のポアソン比は約0.5で、鉄鋼材料(約0.3)よりも大きくなります。縦横ひずみの比、材料固有の値、非圧縮なら0.5、生体で正の値、はいずれも正しい記述です。
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臨床工学技士国家試験の科目「生体物性材料工学」から出題された全59問を、問題・選択肢・解答・解説の順にまとめました。苦手な科目を集中的に復習したいときにお使いください。
ポアソン比について誤っているのはどれか。
正解5
誤りは「5」。生体軟組織のポアソン比は約0.5で、鉄鋼材料(約0.3)よりも大きくなります。縦横ひずみの比、材料固有の値、非圧縮なら0.5、生体で正の値、はいずれも正しい記述です。
図は上腕での動脈圧波形である。末梢側にいくと生じる変化で正しいのはどれか。(図参照)
正解4
正解は「4」。動脈圧波形は末梢へ伝播すると収縮期のピーク(②)が増高します(末梢での収縮期圧増強)。立ち上がりはむしろ急峻になります。
興奮性細胞について誤っているのはどれか。
正解5
誤りは「5」。閾膜電位は静止電位よりも高い(脱分極側にある)ため「低い」は誤りです。Na⁺は細胞外が高濃度、脱分極でNa⁺流入、再分極でK⁺チャネルが働く、過分極は静止電位より低電位、はいずれも正しい記述です。
放射線感受性の最も高い組織はどれか。
正解4
正解は「4」。細胞分裂が盛んな組織ほど放射線感受性が高く、小腸上皮が該当します。脳・肝臓・骨皮質・脂肪組織は感受性が低い組織です。
医用材料の安全性試験について誤っているのはどれか。
正解4
誤りは「4」。安全性試験は抜き取り(サンプリング)で行い、製品全数を個々に評価することはできません(多くは破壊試験のため)。物性・無菌性・溶出物試験を法(医薬品医療機器等法)に則って実施します。
セルロースによる補体活性化の要因はどれか。
正解2
正解は「2」。セルロース膜表面の水酸基(ヒドロキシ基)が補体を活性化する要因となります。このため補体活性化を抑えた酢酸セルロースや合成膜が用いられます。
天然高分子について誤っているのはどれか。
正解4
誤りは「4」。エラスチンは弾性線維を構成するタンパク質で、膠原線維(コラーゲン)ではありません。ゼラチンは変性コラーゲン、シルクは縫合糸、キチンは多糖類、はいずれも正しい記述です。
粘弾性が原因で生じる現象はどれか。 a.降伏 b.破断 c.応力集中 d.応力緩和 e.クリープ
正解5
正解は「5(d・e)」。応力緩和(ひずみ一定で応力が減少)とクリープ(応力一定でひずみが増大)は粘弾性に由来する現象です。降伏・破断・応力集中は主に弾塑性や強度に関わる現象です。
正しいのはどれか。
正解5
正解は「5」。生体組織の力学的挙動は、弾性要素(ばね)と粘性要素(ダッシュポット)の直並列モデルで表されます。血液は非ニュートン流体、軟組織は非線形、筋肉の音響インピーダンスは骨より小さく、エラスチンのヤング率はコラーゲンより小さいため、他は誤りです。
光について誤っているのはどれか。
正解2
誤りは「2」。光子は静止質量をもちません(質量をもつは誤り)。光は波と粒子の両方の性質をもち、真空中の光速は一定で、エネルギーは周波数に比例します(E=hν)。
毛細血管の動脈端における濾過圧[mmHg]はどれか。 動脈側静水圧30mmHg、間質液圧−5mmHg、血漿膠質浸透圧28mmHg、間質液膠質浸透圧6mmHgとする。
正解5
正解は「5」。濾過圧=(動脈側静水圧−間質液圧)−(血漿膠質浸透圧−間質液膠質浸透圧)=(30−(−5))−(28−6)=35−22=13mmHg(正の値なので濾過方向)です。
植込み材料の表面で起こる血栓形成の要因として正しいのはどれか。 a.溶血 b.多糖の分解 c.血小板の凝集 d.タンパク質の変性 e.プラスミンの放出
正解4
正解は「4(c・d)」。植込み材料表面ではタンパク質が吸着・変性し、続いて血小板が凝集して血栓が形成されます。溶血・多糖の分解・プラスミン放出は主要因ではありません。
正しいのはどれか。
正解5
正解は「5」。正電荷をもつ原子核は電子を引き寄せます。イオン化傾向が大きいほど電子を失いやすく、電子を失うと陽イオン、電子が奪われるのは酸化、非金属は電子を得やすいため、他は誤りです。
生体の電気的特性で正しい組合せはどれか。
正解3
正解は「3」。β分散は細胞膜など細胞構造(の充放電)に由来し、数百kHz〜数MHz帯にみられます。α分散はイオンの集散(低周波)、γ分散は水分子の緩和(数GHz)です。
血管の力学特性について正しいのはどれか。 a.変形挙動は線形である。 b.ヒステリシスをもたない。 c.力学的等方性を示す。 d.エラスチンはコラーゲンよりも弾性率が小さい。 e.応力を負荷するとクリープ現象が生じる。
正解5
正解は「5(d・e)」。エラスチンはコラーゲンより弾性率が小さく(柔らかく)、血管は粘弾性体でありクリープ現象を示します。変形は非線形でヒステリシスをもち、力学的に異方性です。
J/kgに相当する固有単位はどれか。 a.H(ヘンリー) b.Bq(ベクレル) c.Gy(グレイ) d.Sv(シーベルト) e.Wb(ウェーバ)
正解4
正解は「4(c・d)」。吸収線量Gy(グレイ)と等価線量・実効線量Sv(シーベルト)はいずれもJ/kgの次元をもつ固有単位です。
同じ質量で温度を1℃上昇させるために必要なエネルギーが最も大きいのはどれか。
正解2
正解は「2」。比熱が大きいほど必要エネルギーは大きくなります。水分を多く含む血漿は比熱が大きく、選択肢の中で最も大きなエネルギーを要します。
生体に接触する全ての医療機器において考慮すべき生物学的安全性評価項目はどれか。 a.感作性試験 b.細胞毒性試験 c.埋植試験 d.血液適合性試験 e.刺激性または皮内反応試験
正解2
正解は「2(a・b・e)」。接触の種類・期間によらず基本的に評価する項目として細胞毒性・感作性・刺激性(皮内反応)試験があります。埋植試験や血液適合性試験は接触部位に応じて追加されます。
医療機器とその材料との組合せで正しいのはどれか。
正解3
正解は「3」。ガイドワイヤには形状記憶・超弾性をもつニッケル・チタン合金が用いられます。人工肺膜はポリプロピレン、人工歯根はチタン、血液透析膜はポリスルフォンなどが代表的です。
図の流体モデル内の血液の抵抗値を両端で測定したところ1kΩであった。血液の抵抗率[Ω・cm]はどれか。 ただし、断面積Aは2cm²、長さLは10cmとする。(図参照)
正解5
正解は「5(200Ω・cm)」。R=ρL/Aより ρ=RA/L=1000Ω×2cm²÷10cm=200Ω・cmとなります。
蛍(けい)光について正しいのはどれか。 a.生体は蛍光を発生しない。 b.蛍光発光によりエネルギー準位が上がる。 c.蛍光発光の波長は物質によらず一定である。 d.励起光とは異なる波長で発光する。 e.励起状態から基底状態への遷移により発光する。
正解5
正解は「5(d・e)」。蛍光は励起状態から基底状態への遷移で発光し、そのエネルギー損失により励起光とは異なる(長い)波長で発光します。生体も自家蛍光を発し、波長は物質により異なります。
能動輸送はどれか。
正解3
正解は「3」。細胞内から細胞外へのNa⁺の移動はNa⁺/K⁺ポンプによる能動輸送で、ATPを消費して濃度勾配に逆らって行われます。他は拡散・濾過などの受動的移動です。
人工心肺による体外循環中に起こりうる生体反応はどれか。 a.溶血 b.カプセル化 c.がん化 d.石灰化 e.補体活性化
正解2
正解は「2(a・e)」。体外循環では血液が異物面に触れることで溶血や補体活性化などの生体反応が起こります。カプセル化・石灰化は長期埋植材料での反応です。
医用材料に用いるシリコーンについて正しいのはどれか。 a.生体内では加水分解される。 b.Si-O結合をもつ。 c.オイル状とゴム状のものがある。 d.放射線滅菌で変性しやすい。 e.人工血管に使われる。
正解3
正解は「3(b・c)」。シリコーンはSi-O結合(シロキサン結合)をもち、オイル状〜ゴム状まで様々な形態があります。化学的に安定で加水分解されにくく、放射線滅菌にも比較的耐えます。人工血管には主にePTFEやポリエステルを用います。
正しいのはどれか。 a.金属結合は水素結合より強い。 b.水素結合は共有結合より強い。 c.水素結合はイオン結合より強い。 d.ファンデルワールス結合は水素結合より強い。 e.共有結合はファンデルワールス結合より強い。
正解2
正解は「2(a・e)」。結合の強さは概ね 共有結合・イオン結合・金属結合(強い)>水素結合>ファンデルワールス結合(弱い)の順です。したがって金属結合は水素結合より強く、共有結合はファンデルワールス結合より強いです。
細胞の興奮における細胞膜電位の変化を図に示す。オーバーシュートによる電位変化はどれか。(図参照)
正解3
正解は「3」。オーバーシュートとは、脱分極が進んで膜電位が0mVを超えてプラス側に振れる部分をいいます。図では0mVより上に出ている部分Cが該当します。Aは静止電位から活動電位の頂点までの全振幅、Bは閾値から頂点までの立ち上がり、Dは閾値(約−40mV)から静止電位(約−60mV)までの範囲、Eは静止電位よりさらに低くなる後過分極を表しています。
生体の磁気特性について誤っているのはどれか。
正解2
正解は「2」。生体は水や有機物が主体で磁性をほとんど示さず、比透磁率はほぼ1(1にきわめて近い値)です。5000程度というのは鉄などの強磁性体の値で誤りです。
生体での熱の伝わり方について正しいのはどれか。 a.皮下組織の熱移動は主に熱伝導による。 b.体表面からの熱の放射は近赤外光による。 c.体表面での空気の対流は熱の放散を促す。 d.体内の熱輸送は主に血流による。 e.体表面からの熱の放射エネルギーは絶対温度に比例する。
正解4
正解は「4(c・d)」。体表面では空気の対流により熱が運び去られ、体内では血流による熱の運搬が最も大きな役割を果たします。aの皮下組織でも血流の寄与が大きく、bの体表面からの放射は遠赤外線、eの放射エネルギーはステファン・ボルツマンの法則により絶対温度の4乗に比例します。
医療機器の生物学的安全性評価に含まれないのはどれか。
正解1
正解は「1」。生物学的安全性評価(ISO 10993/JIS T 0993)には、化学的情報の収集、細胞毒性・感作性・刺激性・発熱性・遺伝毒性・埋植試験などが含まれます。無菌試験は滅菌の妥当性を確認する試験で、生物学的安全性評価とは別の枠組みです。
医用材料を埋植したときに起こる急性局所反応はどれか。
正解2
正解は「2」。材料が血液に触れた直後にはタンパク質の吸着に続いて血小板が付着し、血栓が形成されます。肉芽形成・器質化・石灰化はいずれも数週間以上かけて進む慢性期の反応です。
同じエネルギーの放射線で電離作用の強さの順番が正しいのはどれか。
正解1
正解は「1」。電離作用の強さはα線>β線>γ線の順です。α線は質量が大きく電荷も+2で物質と強く相互作用しますが飛程は短く、γ線は電磁波で電離作用は弱い一方、透過力は最も大きくなります。
生体の光特性について正しいのはどれか。
正解4
正解は「4」。血液が赤く見えるのは、赤色光の吸収が小さく反射・透過するためです。1は波長が長いほど深部に到達し、2はUVCのほうが表皮で強く吸収され、3の可視光は一部が皮膚内に入り散乱し、5の水は可視光をほとんど吸収せず赤外光をよく吸収します。
細胞膜を介して能動輸送される物質はどれか。
正解5
正解は「5」。グルコースは小腸や腎尿細管でナトリウムイオンとともに濃度勾配に逆らって運ばれる能動輸送(二次性能動輸送)の代表です。水・尿素・酸素・二酸化炭素はいずれも受動的な拡散や浸透で移動します。
医用材料に対する血液凝固の促進反応で正しいのはどれか。 a.ヘパリンが作用する。 b.クエン酸が関与する。 c.カルシウムイオンが関与する。 d.プロトロンビンが活性化する。 e.第Xa因子が活性化する。
正解5
正解は「5(c・d・e)」。凝固の過程ではカルシウムイオン(第Ⅳ因子)が必須で、第Ⅹa因子がプロトロンビンをトロンビンに変換します。aのヘパリンとbのクエン酸はいずれも凝固を抑える抗凝固作用をもち、促進反応ではありません。
医用材料と用途との組合せで正しいのはどれか。
正解2
正解は「2」。ポリスルフォンは耐熱性・強度に優れ、透析膜の主要な素材です。1のセルロースは透析膜、3のポリ塩化ビニルは血液回路やカテーテル、4のポリグリコール酸は吸収性縫合糸、5のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は人工血管に用いられます。
ポリエチレンテレフタレートを構成する結合はどれか。(図参照) a. C O C b. C C c. O C O d. Si O e. O H C N
正解3
正解は「3(b・c)」。ポリエチレンテレフタレート(PET)はテレフタル酸とエチレングリコールが縮合したポリエステルで、cのエステル結合(−CO−O−)と、エチレン部分のbの炭素−炭素結合からなります。aはエーテル結合、dはシロキサン結合(シリコーン)、eはアミド結合(ナイロン)です。
100Hzにおける生体組織の導電率の大小関係で正しいのはどれか。(図参照)
正解2
正解は「2」。導電率は含まれる水分とイオンの量で決まります。血液は水分とイオンが最も多く導電率が高く、次いで骨格筋、脂肪は水分が少なく最も低くなります。したがって 脂肪<骨格筋<血液 の順です。
組織を構成する主な線維について正しい組合せはどれか。 a.骨の基質 ― アクチン b.関節軟骨 ― ミオシン c.骨格筋 ― ケラチン d.血管の外膜 ― コラーゲン e.血管の中膜 ― エラスチン
正解5
正解は「5(d・e)」。血管の外膜は強度を担うコラーゲン、中膜は伸縮性を担うエラスチンと平滑筋が主体です。aの骨基質もコラーゲン、bの関節軟骨はⅡ型コラーゲンとプロテオグリカン、cの骨格筋はアクチンとミオシンで、いずれも組合せが誤りです。
体表から非接触で体温を測定するときに用いるのはどれか。
正解1
正解は「1」。物体はその絶対温度の4乗に比例した強さの電磁波(赤外線)を放射します。この関係がステファン・ボルツマンの法則で、耳式体温計やサーモグラフィはこれを利用して非接触で体温を測ります。
生体内における物質の移動に関わる現象で正しい組合せはどれか。 a.腎臓における水分の再吸収 ― 拡散 b.腎糸球体での物質移動 ― 濾過 c.肺胞から血液への酸素の移動 ― 拡散 d.毛細血管壁から血管外への水分移動 ― 対流 e.細胞内から細胞外へのNa⁺の移動 ― 浸透
正解3
正解は「3(b・c)」。腎糸球体では血圧を駆動力とした濾過、肺胞ではガス分圧差による拡散で酸素が移動します。aの水分再吸収は浸透、dの毛細血管壁からの水分移動は静水圧と膠質浸透圧による濾過、eのNa⁺の細胞外への移動はナトリウムポンプによる能動輸送です。
不動態について正しいのはどれか。 a.チタン合金に形成される。 b.ステンレス鋼に形成される。 c.酸化被膜である。 d.形状記憶効果を示す。 e.熱硬化性をもつ。
正解1
正解は「1(a・b・c)」。不動態はチタン合金やステンレス鋼の表面にできる緻密な酸化被膜で、内部の金属が腐食するのを防ぎます。dの形状記憶効果はニッケルチタン合金の性質、eの熱硬化性は樹脂の性質で、不動態とは関係ありません。
分子間力に関連するのはどれか。 a.ファンデルワールス力 b.共有結合 c.金属結合 d.イオン結合 e.水素結合
正解2
正解は「2(a・e)」。分子間力は分子どうしを引きつける比較的弱い力で、ファンデルワールス力と水素結合が該当します。bの共有結合、cの金属結合、dのイオン結合はいずれも原子どうしを結ぶ強い化学結合です。
生物への影響を考慮した放射線量を示す単位はどれか。
正解3
正解は「3」。Sv(シーベルト)は吸収線量に放射線の種類ごとの生物学的な影響度を掛けた等価線量・実効線量の単位です。Bqは放射能、Gyは吸収線量、C/kgは照射線量、eVはエネルギーの単位です。
生体の光特性について正しいのはどれか。 a.メラニンは紫外光よりも可視光の吸収が大きい。 b.脂質はタンパク質に比べ紫外光の吸収が大きい。 c.水は可視光よりも赤外光の吸収が大きい。 d.核酸は可視光よりも紫外光の吸収が大きい。 e.ヘモグロビンは赤外光よりも可視光の吸収が大きい。
正解5
正解は「5(c・d・e)」。水は赤外光を強く吸収し、核酸は260nm付近の紫外光を強く吸収し、ヘモグロビンは可視光(特に青〜緑)をよく吸収します。aのメラニンは波長が短いほど吸収が大きく紫外光でより強く、bの紫外光吸収はタンパク質(芳香族アミノ酸)のほうが大きくなります。
医療機器の生物学的安全性評価で誤っているのはどれか。
正解4
正解は「4」。生物学的安全性評価では、接触する部位(表面・体内と体外を連結・体内)と接触期間(一時的・短期・長期)で分類して必要な試験を決めます。接触面積による分類は行いません。
血液と医用材料が接触したとき、最初に起こるのはどれか。
正解1
正解は「1」。材料が血液に触れると、まず数秒のうちにアルブミンやフィブリノーゲンなどの血漿タンパク質が表面に吸着します。その吸着層を足がかりに血小板が粘着・活性化し、続いて凝固が進みます。
人工肺のハウジング(外筒)に使われる材料はどれか。
正解3
正解は「3」。人工肺のハウジングには、透明で内部が観察でき、強度と成形性に優れるポリカーボネートが使われます。ポリ乳酸は吸収性材料、セルロースは透析膜、ポリウレタンは血液回路やカテーテル、ポリビニルアルコールは塞栓物質などに用いられます。
生体の電気特性について誤っているのはどれか。
正解5
正解は「5」。β分散は細胞膜の充放電(マクスウェル・ワグナー効果)によるもので、数百kHz〜数MHz付近で生じます。約20GHzで生じるのは水分子の配向に由来するγ分散です。
正しいのはどれか。 a.2000Hzの音波は超音波である。 b.頭蓋骨を伝わる音速は約1500m/sである。 c.音響インピーダンスは密度と音速の積である。 d.音波は音響インピーダンスの異なる組織の境界面で反射する。 e.骨の音響インピーダンスは筋肉より大きい。
正解5
正解は「5(c・d・e)」。音響インピーダンスは密度×音速で表され、その値が異なる境界面で音波は反射します。骨は密度も音速も大きいため筋肉より音響インピーダンスが大きくなります。aの超音波は20kHz以上、bの頭蓋骨中の音速は約3000〜4000m/sです。
放射線の単位で誤っているのはどれか。
正解2
正解は「2」。線量当量(等価線量)の単位はSv(シーベルト)です。T(テスラ)は磁束密度の単位で、放射線とは関係ありません。
体表面からの熱放散でないのはどれか。
正解2
正解は「2」。体表面からの熱放散は、放射(輻射)・伝導・対流・蒸散(発汗と不感蒸泄)の4つです。散乱は光や超音波が進路を変える現象で、熱の放散経路ではありません。
材料と生体との相互作用において急性反応はどれか。 a.カプセル化 b.石灰化 c.肉芽形成 d.補体活性化 e.ショック
正解5
正解は「5(d・e)」。材料が体内に入った直後には補体の活性化やアナフィラキシーショックなどの急性反応が起こります。aのカプセル化(線維性被膜の形成)、bの石灰化、cの肉芽形成はいずれも数週間以上かけて進む慢性反応です。
生体活性材料はどれか。 a.アルミナ b.ジルコニア c.リン酸三カルシウム d.バイオガラス e.パイロライトカーボン
正解4
正解は「4(c・d)」。生体活性材料は骨と直接化学的に結合する材料で、リン酸三カルシウムやハイドロキシアパタイト、バイオガラスが代表です。aのアルミナ、bのジルコニア、eのパイロライトカーボンは、生体に害はないが結合はしない生体不活性材料です。
放射について誤っているのはどれか。
正解4
正解は「4」。体温37℃の物体から放射される電磁波はピーク波長が約10μmの遠赤外線です。紫外線が放射されるのは数千℃以上の高温物体で、サーモグラフィが遠赤外線をとらえるのもこのためです。
放射線感受性の最も高い組織はどれか。
正解1
正解は「1」。放射線感受性は細胞分裂が盛んな組織ほど高く、骨髄・リンパ組織・生殖腺・腸管上皮などが特に高感受性です(ベルゴニー・トリボンドーの法則)。神経・心筋・脂肪は分裂しないため感受性が低くなります。
生体の光特性について正しいのはどれか。
正解4
正解は「4」。メラニンは紫外線を強く吸収して細胞のDNAを守る働きをもち、可視光より紫外線の吸収が大きくなります。1はUVCのほうがDNA損傷を起こしやすく、2の遠赤外は熱作用(電離作用はない)、3の水は赤外光の吸収が大きく、5のデオキシヘモグロビンは可視光(特に赤色付近)をよく吸収します。
医療機器の安全性試験として含まれていないのはどれか。
正解1
正解は「1」。医療機器の安全性評価では、接触する部位と接触期間によって必要な試験を分類し、物性試験・溶出物試験・生物学的試験を行います。接触面積による分類は行われません。
生体内における材料の劣化に影響しないのはどれか。
正解4
正解は「4」。フィブリノーゲンは材料表面に吸着して血栓形成のきっかけにはなりますが、材料そのものを分解・劣化させる作用はありません。活性酸素・水・酵素反応・材料の化学組成はいずれも生体内での劣化に関与します。
シリコーン(silicone)について正しいのはどれか。
正解3
正解は「3」。シリコーンはケイ素と酸素が交互に並ぶシロキサン結合(Si-O結合)を主鎖にもつ高分子です。1は疎水性、2は有機高分子でセラミックスではなく、4の透析膜には使われず、5は弾性をもつゴム状(エラストマー)です。